東京の空き家、老朽家屋問題が深刻化するのはこれから②空家等対策の推進に関する特別措置法

こんにちは。不動産問題に取り組む【海風よろず相談所】です。

前回、空き家問題は核家族化にあると記事を書きましたが、その続編です。

ちょっと外を散歩してみれば、空き家が増えているのは実感としてあると思いますが、実際の数値はどうなのでしょうか。

 

 

 

・・・空き家数、空き家率とも超右肩あがりです。

全国の空き家率は増加の一途で、平成25年においては空き家数が820万戸、空き家率が13.5%となりました。5年前に比べると、空き家数は63万戸の上昇、空き家率は0.4%の上昇です。

地方別にみると空き家率は田舎が多いですが、空き家数は当然人口の多い都市部となりますが、空き家が多い都道府県は下記のとおりです。

①東京都 約81万戸

②大阪府 約68万戸

③神奈川県 約48万戸

④愛知県 約42万戸

・・・やはり人口の多い都市部が上位独占です。しかも、上位4県で約240戸と全体の3割近くも占めております。また、都市部は建物が密集しており、近隣問題に発展しやすく、対策が必要なののは都市部にあると言えます。

では、なぜ、防災や防犯の問題もあり、管理上責任問題が発生する可能性がある空き家を取り壊さないのでしょうか。

理由は3つあります。

1つは、法律的な事由です。親が亡くなって空き家を数人で相続した場合は1人の判断では処分できないことです。相続人は親族ですから話し合って解決できそうですが、利害が対立する場合も少なくありません。しかし、相談問題は長く放置するとさらに相続が起こり、亡くなる方が増えると「自分のおじさんが昔結婚していたおばさんのお姉さん」等、会ったり話したりしたことがない人が登場するため、早めに遺産分割等を行って解決する必要があります。

もう1つは、精神的な事由です。家は家族の成長を支えてきた精神的支柱であり、想い出が沢山つまっています。今は住んでいないので普段は気に留めませんが、取り壊すとなれば写真アルバムを捨てられるような想いとなり、解体をためらうこととなります。

最後の1つは、経済的な事由です。解体するには当然解体費用がかかります。(火災や朽廃による落下物の危険の責任を考えれば解体費用を持った方がよいと判断できます。)

しかし、建物がない更地にしてしまうと固定資産税が4倍程度に増えてしまうことがあります。

 せっかく費用をかけて解体しても税金が上がるのであれば、責任リスクはあっても、そのままにしておきたくなります。

ここにメスを入れたのが平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」であり、自治会が「特定空き家等」に指定した場合は行政から対策を求められ、自己負担で対策をする必要があり、固定資産税の減税措置も外されることになります。

この問題に対応するためには、「特定空き家等」に指定されないことが重要になり、日常の管理が大事になってきます。